薬剤師の将来性はAIによって危うい?需要のある人材になるには?

AI ロボット

    薬剤師の将来性について、AIによって仕事がなくなってしまうのではないかと考える人が増えています。

    本記事では薬剤師の将来性について解説します。また、将来性を高めるための方法も紹介します!

この記事を書いた人
末永 雄大
アクシス代表取締役社長。リクルートキャリアで様々な企業の採用支援を経験、MVP6回受賞。転職エージェントや有料転職相談サービス「マジキャリ」など複数サービスを展開。Youtubeの総再生数は200万回以上、Yahooニュース・東洋経済オンラインでも情報発信。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック」

薬剤師の将来性は低くなる可能性が高い

今後、薬剤師の需要は将来的に増えていくものの、それ以上に供給が伸びて供給過多になることから、市場価値が下がり、将来性が低くなる可能性があります。

厚生労働省の「かかりつけ薬剤師・薬局の多機関・多職種との連携に関する調査研究」によると、将来的な薬剤師の需要と供給バランスは以下の通りです。

将来的な薬剤師の需要と供給バランス 厚生労働省

グラフから今後10年、20年と薬剤師の需要は伸びていく一方でそれ以上に供給が伸びていくことがわかります。

また、厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和2年3月分及び令和元年度分)について」によると令和元年時点で薬剤師の有効求人倍率は3.34と高く見えるものの、平成26年時点では7.00だったことを考えると年々減少していることがわかります。

とはいえ、医薬品のプロフェッショナルとしての薬剤師は臨床現場に限らず多様な現場で必要とされているため、たとえ供給過多になったとしてもなくなることはありません。

以降で薬剤師の将来性が低くなってしまう要因やその上で薬剤師として活躍し続けるためにどうしたら良いのか詳しく解説していきますね。

AIによって薬剤師の仕事は変わるものの消えはしない

薬剤師の仕事はAIに取って代わられてしまうのではないかという懸念は持たれがちですが、将来的に薬剤師の仕事は減ったとしてもなくなりはしないと考えられています。

そもそもAIとは大量のデータからパターンや判定技術を学んでいくことで、新しいデータを「分類」することに長けている技術です。

つまりAIは、現時点での人間が蓄えた知識や経験のデータに基づいて、あたかもその道の専門家であるかのような判断ができる仕組みのことです。

AIにできること、人にしかできないことには違いがあるので、しっかり確認していきましょう。

薬剤師分野でAIが活躍する可能性がある業務2つ

現在薬剤師がおこなっている業務で、AIにできることは、調剤と薬歴管理だと考えられます。

例えば、調剤業務についてはAIに任せたほうがスピードも早く、ミスもなくなるでしょうし、処方監査も人がやるより正確に危険を予測できるようになる可能性は高いです。

また、薬歴管理についてもAIに取って代わられる可能性はあるでしょう。今までに服用してきた医薬品のパターンからリスクを予測するには人の記憶力に頼るよりも、膨大なデータベースを使って結果を導き出せるAIのほうが強みを活かせるためです。

薬剤師分野でAIにできないこと

このようにAIが肩代わりする業務もある反面、対人コミュニケーションではAIにはできない、人だからこその強みが活かせます。

患者の性格や希望を踏まえた上で、処方内容に応じてどんな服薬指導をするのが良いか、服薬指導の内容が同じであってもどういう伝え方をしたら良いかは個々に異なります。それを対面で患者の反応を見ながら適切な対応をすることができるのは人の強みです。

つまり、薬剤師の仕事がAIによって変わっていく可能性はあるものの、AIによって薬剤師がいらなくなってしまうようなことはないと考えられます。

むしろ、AIによって生み出された技術を使いこなせる薬剤師が必要になると考えられます。

AIによって支えられている調剤システムや薬歴管理システムが生まれてきたときに、それがどういうメリットがあって、どんなリスクを持っているのかを正確に理解して使うことは必須です。薬剤師にもIT系の能力が求められる可能性があることは念頭に置いておきましょう。

AIの他に今後の薬剤師の需要に影響を及ぼす2つの変化

ここまで薬剤師の需要や働く環境の変化は、この先薬剤師として働いていく上で避けて通れないものです。薬剤師の需要を取り巻く環境の変化について詳しく見ていきましょう!

薬剤師の需要に関わるものとして以下の2つが挙げられます。

新型コロナウィルスの感染拡大

まず、薬剤師の市場へ影響を与えるものとして、新型コロナウィルスの感染拡大が挙げられます。

コロナの感染拡大によって、薬局や病院への来院数が減少し、それによって経営が悪化しています。その結果コストの削減のために人員が削減されています。

具体的には、厚生労働省の一般職業紹介状況 についてという調査を参考にしたデータによると、令和元年11月と令和2年11月の薬剤師の有効求人倍率を比較すると減少傾向にあります。

令和1年の有効求人倍率 令和2年の有効求人倍率
パート含む 3.51倍 1.99倍
パート除く 4.66倍 2.79倍

有効求人倍率とは、求職者1人に対して何件の求人数があるかという数値なので、高いほど職につきやすいという判断材料になる数値です。

このデータだと、昨年11月から今年11月にかけてかなり数値が減少しており、職に就くのが難しくなっていることがわかります。つまり、先が見えない状況の中で、人員の削減をおこなっていると考えられます。

コロナウィルスの感染拡大に歯止めがかかり始めるまでは、他の業種もそうですが、需要が高まっていくとは考えにくいです。

ファーマシーテクニシャン

まず、 ファーマシーテクニシャンとは、アメリカで導入されているもので、薬剤師の指示に基づいて、主に医薬品のピッキングなど薬剤師の補助をおこなうスタッフのことです。

薬剤師のメインの業務は、患者さんとコミュニケーションをとって、専門的な知識を活かして、適切な調薬をおこなうことです。

しかし実際は、大量の医薬品の中から必要なものをピッキングする作業に多くの時間を取られているという問題がありました。

そこで、ファーマシーテクニシャンという薬剤師資格がないスタッフが補助することで、スムーズな業務を実現しようという仕組みがあるのです。

日本では導入するかは、議論の段階ですが、人件費が高額な薬剤師に対してファーマシーテクニシャンが導入されたら、需要が見込まれるでしょう。

薬剤師の業務効率化が実現されれば、今までの人員は必要なくなると考えられるため、ファーマシーテクニシャンが導入されれば、薬剤師の需要は減少してしまうかもしれません。

将来性を高めるポイントはコミュニケーション力と専門性

将来性を高めたいという人はコミュニケーション能力と専門性を高めることがオススメです。 この2つの能力を高めることで将来性や高収入につながります。

ここからは、なぜこの能力が求められるのかを解説していきます。

コミュニケーション能力を用いた服薬指導は需要が伸びる

コミュニケーション能力が重要視される理由は、この能力が将来的にAIによって奪われにくい能力だからです。

近年、薬剤師が調剤する環境は発達しており、将来的に調剤などの業務はAIによって代替されていくと考えられています。

しかし、服薬指導などの対人コミュニケーションを基礎にした仕事はAIによって代替されにくいとされています。また高齢化社会が進み、薬を利用する人が増えていく中で、服薬指導はより重要な業務になると考えられます。

そのため、服薬指導をする上で患者が無理な服薬をしていないか、薬によって体調を崩していないかなどの状況を汲み取る能力は非常に重要とされ、患者としっかりコミュニケーションを取れる薬剤師が重宝されます。

また、キャリアアップの面でもコミュニケーション能力は重要です。

薬剤師には管理薬剤師という役職があり、その役職に就くことで追加の手当をもらえます。管理薬剤師の業務は調剤だけではなく、上に立つ者として周りとのコミュニケーション能力が必要になります。

専門性はキャリアアップにつながる

薬剤師として年収をあげたいのであれば、専門性、つまり調剤の能力を高めることが求められます。

調剤の能力や、薬剤の知識を身につけることはそのままキャリアアップに繋がるためです。

専門性を高めるためには、どれだけ多くの種類の処方を受け付け、薬剤についての用法や副作用を学んだかが重要です。

多くの処方箋に対応して知識を身に付けたいなら、大規模な調剤薬局や大学病院での勤務を選択することで、様々な診療科の処方を経験できます。次々に新薬が開発されている中で、知識をアップデートするのは大変なものの、身に付けた知識はキャリアを支える武器になります。

なお、薬剤師の中でも希少性を高めたいのであれば英語力を高めることもオススメです。

海外で開発された薬の臨床試験や、海外の人とのコミュニケーションは大きなニーズがあります。また、英語が話せればCRC(治験コーディネーター)として製薬企業からも求められる人材になるので、キャリアアップの選択肢として英語を学ぶことはオススメです。

薬剤師が将来性を高めるためのキャリアパスと年収

ここからは、具体的にどんなキャリアを歩めば、将来性が高まるのか・どのくらい稼げるのかについて説明していきます。

薬剤師が目指すべきキャリアとして、3つ考えられます。

管理職に就く

まず1つ目に、薬局やドラッグストアの部長や製薬会社での管理職を目指すことが挙げられます。

管理職になれば、年収1000万円もかなり現実的な数字になってきます。

さらに幅広い業務を管理することを求められるため、薬局の経営や医薬品に対する幅広い知識が身につきます。

そのため、単に年収が上がるだけではなく、一般の薬剤師として働いていたときとは違った視点を持ち、業務に活かしていくことができるでしょう。

独立する

次に、独立するという選択肢もあります。

薬剤師で高収入を目指すにあたって、独立開業はリスクは伴いますが、とても有力な選択肢です。

薬剤師が独立して、薬局を開業するためには最低でも1,500万円ほどの費用が必要だと考えられます。

しかし、独立開業し、軌道に乗れば年収1000万〜3000万円も不可能ではないハイリスクハイリターンなキャリアであると言えます。

開業するためには、場所の確保・内装工事・人員の確保などさまざまな準備が必要です。そのため、不安があるならまずは開業に立ち会える人を探して、一緒に手伝うのも1つの手です。

専門薬剤師になる

最後3つ目のキャリアとして、専門薬剤師になることが挙げられます。

専門薬剤師は、認定薬剤師の資格よりさらに難易度の高い資格で、資格を取得するためには講習に参加し、論文を書き、学会で発表するなど、厳しい道のりです。

しかし、年収は専門薬剤師になっても、平均年収は600万円程度で、普通の薬剤師を30〜40万円上回るほどです。

ではなぜ、年収がそんなに上がらない専門薬剤師をおすすめしているのか疑問に思っているでしょう。

それは、専門薬剤師の資格を取ることで、病院薬剤師のチーフなどの管理職や新人の教育を任されるなど、キャリアアップ が見込めるからです。

薬剤への知識を深める強い意欲があるなら、専門薬剤師を目指すことがおすすめです。

薬剤師の給料について詳しく知りたい人は、下の記事も合わせてご覧ください。

関連記事【保存版】薬剤師の初任給を勤務形態・都道府県別に徹底解説!

キャリアプランで悩んだらキャリアアドバイザーに相談しよう

将来のキャリアプランに悩んだら、転職サイトを用いてキャリアアドバイザーに相談するのがオススメです。

キャリアアドバイザーは、あなたからワークライフバランスや勤務地、年収といった希望をヒアリングして、その希望を満たすことができるキャリアをオススメしてくれます。

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