出版社への転職は難しい?必要なスキル・経験をプロが解説!

出版社への転職は難しい?必要なスキル・経験をプロが解説!

    出版社へ転職するために知っておきたい、必要なスキルや職種経験、仕事内容をプロが解説します。

    出版業界の求人は人気が高く、大手・中小企業を問わず転職ハードルが高いため未経験の人をはじめしっかり対策しましょう!

この記事を書いた人
末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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出版社への転職は難しい

出版社は経験者を優先的に採用する場合が多く、どの職種でも未経験から転職するのは難しいです。

そのため、編集や営業などの経験を先に積んでから、憧れの出版社への転職を目指す人も少なくありません。

何らかの法人営業の経験があれば、出版代理店の営業職種を受けられる可能性もありますが、基本的には目指す職種にまつわる実務経験を3年程度積んでから、段階的に転職を進めるとよいでしょう。

では具体的に、出版社に関連する仕事にはどんな職種があるのかを次で解説していきますね。

出版社で活躍している主な職種

ひと口に出版社での仕事と言っても、その内容は多種多様です。

ここでは、出版社で活躍している主な4つの職種をご紹介します。

編集者

編集者は、書籍や雑誌などのコンテンツの企画・制作をおこなう仕事です。

企画立案をはじめ、作家やライターへの執筆依頼やスケジュールの管理、原稿の編集や校正、社内の各部署との調整・折衝まで、業務内容は多岐にわたります。

ディレクション能力やクリエイティブな感性を持ち、例えるならばチームを引っ張っていくリーダー的なポジションです。

出版社の職種の中でもとくに経験者が求められることが多く、小説や実用書、漫画などのジャンルによっても求められる実務経験が変わるので、注意が必要です。

書店営業

書店営業職は、書籍や雑誌を書店にて配置、宣伝してもらうために営業をおこなう仕事です。

書店で新刊・重版の案内をして発注してもらうことや、棚の配置スペースの交渉、欠品や返品漏れのチェック、さらには著者によるイベントを企画したりと、様々な方法で本を読者に届けるための施策をおこないます。

書店営業は現場の情報を社内に共有する橋渡しの役割があり、販売や発行部数の基盤となる重要な仕事です。

広告営業

広告営業職は、書籍や雑誌の広告枠に掲載する企業を探して営業する仕事です。

本の売上はもちろん、クライアントからの広告出稿費も経営を維持していくために欠かせないビジネスの収益源となっています。

それだけでなく、企業とタイアップしたプロモーション記事やイベントの企画など、自社媒体のブランドを活かした様々な提案をすることができます。

総務・事務職

総務・事務職は、出版社の職種の中では未経験でも入りやすく、会社のスタッフやメンバーを支えるバックオフィスとしての役割を担っています。

仕事内容は他の業界と大きな違いはありませんが、書店や取次からの問い合わせ対応、POP等の販促物の作成は出版社ならではの特徴といえます。

総合・専門出版社による違い

出版社には、幅広いジャンルの書籍や雑誌を手がける総合出版社と、一定のジャンルに特化した専門出版社があります。

では具体的に、総合出版社と専門出版社への転職について解説していきますね。

総合出版社への転職

有名な大手の総合出版社は、集英社講談社小学館KADOKAWAなどがあります。

上記の企業は通年採用をおこなっておらず、足りない人員を都度補充しているので、中途採用の募集は若干名となる場合が多いです。

また、基本的に即戦力が求められているため、未経験(第二新卒含む)で採用される可能性は低いと考えていいでしょう。

雇用形態に関して、経験者でもスキルによっては契約社員として登用される場合もあるので、正社員を目指すのであれば、最低でも同職種で3年以上の経験を積んでおくことが望ましいです。

専門出版社への転職

有名な専門出版社は、東洋経済新報社(経済書)や東京書籍(教科書)、昭文社(地図、旅行)などがあります。

これらは一定の分野に特化しているため、職種未経験でも該当する業界経験があれば優遇される可能性があります。

例えば、金融系の出版社では、証券会社で働いていた経験が評価されます。

ただし専門出版社は従業員数が少ない会社が多く、なかには募集自体をしていない会社もあるので注意が必要です。

出版社への転職で求められる経験・スキル

未経験から出版社への転職は難しいため、基本的には同業界での経験が必須と考えておきましょう。

他の業界や業種から転職する場合、例えば出版社で編集者の仕事をするために、編集プロダクションで編集・ライティングスキルやプロジェクトマネジメントの力を身に付けることがオススメです。

会社の規模によりますが、一般的に版元である出版社は編集プロダクションに制作を業務委託することが多いため、手っ取り早く知識や実績を積むことができるからです。

また、書店営業や広告営業の仕事につくためには、他の業界で法人営業の経験やマーケティングスキルを積むことがオススメです。

このように段階的なステップを踏んでから出版社への転職を志したほうが、成功確率は高くなります。

出版社への転職を成功させる方法

実際に応募要件を満たして転職活動を始める場合に、出版社への転職を成功させるための方法を3つご紹介します。

自分に合った方法を見つけるために参考にしてください。

企業のサイトから直接応募する

企業のWebサイトなどには、採用情報や応募フォーム等が設けられている場合が近年多くなっています。

しかし、こうした企業のホームページから直接応募する方法をとると、詳しい仕事内容や待遇などを事前に確認できない場合があります。

一方で、「きちんと企業のことを調べた上で応募をしている」というプラスの印象を与えられる可能性もあるため、日程を自分自身で予定管理して調整できる人や、書類や自己PRの準備に自信がある人におすすめの方法です。

求人サイトに登録する

リクナビNEXTなどの求人サイトに登録しておくと、複数の求人情報の中から、希望の仕事内容や条件に合う企業を自由に探すことができます。

自分の手で見つけられる範囲以外にも、幅広い候補の中から企業を選びたい人には、求人サイトを活用する方法がおすすめです。

おすすめの求人サイトについては以下で詳しく紹介しているので、こちらも合わせてご覧ください。

転職エージェントを利用する

出版社への転職を後押ししてもらえるのが、転職エージェントを利用する方法です。

エージェントによってサービス内容は様々ですが、キャリアに関する相談や履歴書や職務経歴書のチェック、面接の練習なども依頼することができるメリットがあります。

さらに自分の希望する仕事内容や条件、今後のキャリアステップを踏まえ、キャリアアドバイザーの目線からあなたにぴったりの企業をおすすめしてくれるため、自分にあった企業がどこなのかから知りたい、という人には転職エージェントを活用する方法が向いています。

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出版社に転職するメリット・デメリット

出版社に転職するメリット・デメリットを紹介していきます。

どのようなメリットやデメリットがあるのか、働き方や業界の将来性はどうなのか、気になる人はぜひ参考にしてみてください。

以下で詳しく解説していきます。

自分の関わったものが世の中に発信される

自分が制作に関わったものが大量に刷られて広く届けられ、多くの人の手にわたることは、他の業界の仕事ではなかなか味わうことのできない魅力です。

世の中に向けて発信された1冊の書籍やマンガといった作品の1ページが、遠くにいる誰かの人生を変えることにつながるかもしれない、仕事のダイナミックさを感じられます。

世論やトレンドを作れる

人々は、日々テレビや新聞、書籍などの様々な媒体を中心に情報を取り入れ、「何が流行っているのか」「世の中の動きに自分は賛成なのか、反対なのか」といった意見や立ち位置を判断しています。

出版業界での仕事は、様々な情報や課題の解決方法などを広く発信することで、世間の人々のニーズを汲み取り、「世論やトレンドを作る」仕事であるといえます。そこには大きな責任が伴うと同時に、大きなやりがいを感じる人も多いです。

出版社で働くデメリット

以下で詳しく解説していきます。

労働環境がハード

出版社の中には他の業界と比べると、労働時間が長い企業もあります。

基本的に長時間勤務が当たり前という考えが業界内で根強く残っており、1人に対して同時に複数の案件が割り当てられているからです。

とくに中小出版社は編集者が営業を兼ねている場合もあり、なかには残業で体調を崩して辞めてしまう人がいるのも実情です。

業界の先行きが不安

出版業界の市場規模は20年間、縮小し続けています。

出版物の売上はピークだった1996年の2兆6,563億円から、2020年には1兆2,237億円になっています。

一方で電子書籍・電子コミックの売上は毎年増えており、現在は市場全体における24%を占有するまでになりました。

市場規模の縮小はあくまで紙媒体や書店の話であり、大手出版社はWebメディアの進出や自社IPを利用したメディアミックスを展開するなど、事業を多角化していくことで業績は前年比プラス成長を続けているのです。

出版業界の平均年収と有名出版社の年収

出版業界全体の平均年収ですが、dodaの「平均年収ランキング最新版(業種別)」によると、出版業界の平均年収は396円です。

また、上場企業の大手出版社9社(KADOKAWA、学研HD、文溪堂、中央経済社HD、アルファポリス、ゼンリン、昭文社、インプレスHD、SEHI)の2020年3月期までの有価証券報告書から平均値をとると、約700万円となっています。

一方で中小零細企業を含む出版業界全体の平均年収ですが、全国の平均よりも低いです。国税庁が発表している「民間給与実態統計調査(令和元年)」によると全国の平均年収は436万円となっており、出版業界は40万円ほど低い給与結果となっています。

有名な出版社の平均年収

出版業界の中で、有名2社の平均年収をご紹介します。

KADOKAWA

2020年6月に公開された 有価証券報告書によると平均年収は833万円です。

業界平均よりも高い理由として、出版事業の他に映像やゲーム各種の事業を手掛けることが多いからです。

講談社

2023年9月時点の転職口コミサイト「ライトハウス」によると、講談社の平均年収は859万円でした。

ただしあくまでも口コミサイトの情報ですので、口コミが掲載されている時期により平均年収は変動します。

出版社に転職するには転職エージェントがオススメ

出版社に転職するためには、転職エージェントを活用するのがおすすめです。

なぜなら、出版社は村社会なので、そもそも求人が出回らないという側面があります。そのため、少しでも多くの求人と出会う必要があるので、転職エージェントが扱う非公開求人を紹介してもらうのが効率の良い方法です。

まずは気になるエージェントに2〜3社登録してみて、実際に担当のアドバイザーに会ってみた上で比較検討してみるのがオススメです。

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大手エージェントには、全業界・職種の求人が集まっています。さらに、大手企業や人気企業の求人を独占で持っていることも。
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