薬剤師の初任給が高い職場は?手取りや勤務形態別で徹底解説
薬剤師の初任給は、調剤薬局や病院などの勤務形態によって大きく異なります。
本記事では勤務形態や勤務地となる都道府県から、薬剤師の初任給を解説します。また、給料を上げるための方法も紹介します!
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【勤務場所別】薬剤師の初任給を比較
「2021年版」薬剤師の雇用形態別平均初任給と年収は以下の通りです。データはライトハウスを参考にしています。
勤務場所 | 初任給 | 年収 |
---|---|---|
ドラッグストア | 33万2,008円 | 約400万円 |
調剤薬局 | 30万9,956円 | 約370万円 |
病院 | 23万3,413円 | 約280万円 |
製薬会社 | 26万1,200円 | 約310万円 |
この結果から、薬剤師の初任給ではドラッグストアがもっとも高く、病院の初任給は低いことがわかります。
なお、厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、全国的な初任給の平均は19万6,300円であり、大学を卒業した人の平均初任給は21万2,000円です。
薬剤師の勤務先の中で初任給が一番低い病院でも23万円なので、薬剤師は全国平均と比べると初任給の高い職種であることがわかります。
薬剤師の初任給が高い理由は、資格手当や薬剤師手当などの手当が給料に追加されているためです。
薬剤師の初任給は手取りにすると約80%になる
薬剤師の初任給は手取りにすると、額面の約80%程度になります。
一般的に、給料の2割ほどは所得税や住民税として差し引かれるので、手取りとして残る給料が大体80%になります。手取りを額面の80%と仮定して、先ほどの調査結果から計算した勤務形態別の手取りは以下の通りです。
これらの手取りから、1日8時間週5日働いた場合の時給も算出しています。
勤務形態 | 初任給(手取り) | 時給 |
---|---|---|
ドラッグストア | 26万5,607円 | 1,660円 |
調剤薬局 | 24万7,965円 | 1,549円 |
病院 | 18万6,731円 | 1,167円 |
製薬会社 | 20万8,960円 | 1,306円 |
ドラッグストアに勤務すれば、初任給の手取りで25万円超えを狙えます。高収入の求人を検索するなら、保有求人の3割が年収650万以上の薬キャリがおすすめです。
募集要項から薬剤師の初任給例を比較
ここからは、以下4つの勤務形態ごとに実際の企業を紹介しながら初任給を解説します。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
ドラッグストアの初任給例
大手ドラッグストアチェーンとして知られるスギ薬局で働く薬剤師の初任給は以下になります。
職場 | 初任給 |
---|---|
調剤薬剤師 | 29万3,000円 |
総合薬剤師 | 31万8,000円 |
総合薬剤師は、調剤や在宅医療事業のほかに、OTC医薬品の販売、さらにレジや品出しなど店舗業務全般の、薬剤師の仕事のほかにも幅広い業務をおこないます。
調剤薬剤師は、調剤室で調剤業務を専門がメインの業務で、訪問薬剤師として在宅医療事業に携わることもあります。
この数字を見ると、やはりドラッグストアの初任給は全国平均と比べると高い水準であることがわかります。
一点注意すべきポイントは、ドラッグストアの薬剤師は昇級幅が少ないことです。ドラッグストア薬剤師は初任給が高いものの、将来的にみて他の職種に給与を追い越される可能性があります。
ドラッグストアについてさらに詳しく知りたい人は以下の記事も合わせてご覧ください。
調剤薬局の初任給例
大手の調剤薬局であるアインホールディングスの初任給は25〜38万円と提示しており、残業手当や通勤手当は別途支給しています。
初任給の幅が大きいのは、勤務先によって給料が大きく変わるためです。
大手の薬局は全国的に展開しており、とくに地方では薬剤師の数が不足しているため、地方への転勤を前提とした職種に就くと初任給は高くなります。一方で都内自宅の近くであったり、都心で働く場合などの初任給は低くなりがちです。
調剤薬局についてさらに詳しく知りたい人は以下の記事も合わせてご覧ください。
病院の初任給例
首都圏の大学病院である埼玉医科大学の初任給は調剤手当と当直手当を含めて23万1,824円です。
やはり、他の勤務形態と比べると少ないことがわかります。
また、この初任給は2回の当直をした場合の月給なので、休日出勤や夜勤などの手当てが加算されることがあり、実際にはさらに給与が高くなることがあります。
病院薬剤師についてさらに詳しく知りたい人は以下の記事も合わせてご覧ください。
製薬会社の初任給例
大手製薬会社であるアステラス製薬では、メディカル&ディベロップメントとされる開発職や、製薬技術職、MRなど職種が複数あり、どれも6年生薬学部を卒業した人の初任給は25万4,000円です。
これらの職種の一部は、薬学部を卒業した人でなくても応募できるものの、4年生大学を卒業した人は初任給が2万4,000円下がってしまいます。
製薬会社では、初任給はそこまで高くないですが、昇級が早いことやインセンティブがあることによって、将来的に給与の金額が高くなることに注意が必要です。
製薬会社のメリットは、賞与面の待遇の良さだけではなく福利厚生が整っていることもあり、薬剤師に人気の転職先です。
製薬会社の薬剤師についてさらに詳しく知りたい人は以下の記事も合わせてご覧ください。
都道府県別にみる薬剤師の初任給ランキング
厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」をもとに計算した、おもな薬剤師の都道府県別の初任給は以下の通りです。
ドラッグストア | 調剤薬局 | 製薬会社 | 病院 | |
---|---|---|---|---|
静岡 | 43万2,652円 | 40万3,917円 | 34万381円 | 30万4,170円 |
愛知 | 38万5,257円 | 35万9,668円 | 30万3,092円 | 27万849円 |
神奈川 | 36万1,243円 | 33万7,249円 | 28万4,200円 | 25万3,966円 |
大阪 | 34万6,090円 | 32万3,102円 | 27万2,278円 | 24万3,313円 |
東京 | 32万8,854円 | 30万7,011円 | 25万8,718円 | 23万1,195円 |
京都 | 32万6,534円 | 30万4,845円 | 25万6,893円 | 22万9,565円 |
兵庫 | 32万6,336円 | 30万4,660円 | 25万6,737円 | 22万9,425円 |
長崎 | 26万5,167円 | 24万7,554円 | 20万8,614円 | 18万6,421円 |
47都道府県のうち、もっとも初任給が高いのは静岡県で、低いのは長崎県です。
薬剤師では、必ずしも都心の方が給与が高いというわけではないです。地域により需要と供給のバランスが異なり、それにより給与が異なるため、どの地域で働くかは重要になります。
都市部は、薬学部が多いかつ、卒業後もそのまま都市部で働く薬剤師が多いことから、都市部では薬剤師が充足気味であると考えられます。
やはり、全国的にみてもドラッグストアの初任給額は安定して高いことがわかります。
薬剤師の年収ランキングについてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事もあわせてご覧ください。
昇給を考慮した勤務先別の薬剤師の平均年収
ライトハウスの口コミを参考に、初任給ではなく、昇給なども考慮した薬剤師の勤務形態別の平均年収は以下の通りになります。
勤務形態 | 平均年収 |
---|---|
ドラッグストア | 557万円 |
調剤薬局 | 481万円 |
製薬会社 | 958万円 |
病院 | 416万円 |
初任給の金額のみを考えると、ドラッグストアがもっとも高いものの、長期的に考えると製薬会社の年収がもっとも高いです。
製薬会社の年収がここまで高くなる理由は、昇給やインセンティブの制度が多くあるからです。製薬会社には大手企業など規模の大きい会社が多く、制度が整っているため、昇給制度が整っていることが多いです。
また、年功序列による昇給もあることから、他の勤務形態と比べて年を追うごとに年収が上がり、結果として初任給は高くないけど平均年収は高いです。
それに対して、調剤薬局では年次昇給が年1回で、月3,000~5,000円程度の昇給になります。管理薬剤師になれると毎月3~5万円の手当があるものの、1店舗あたり1人しか管理薬剤師になれません。
また、たとえ管理薬剤師であったとしても、年収はおよそ600万円程度が上限で、製薬会社に比べると少ないです。
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初任給だけをみてドラッグストアに行く薬剤師は注意!
初任給の高さに惹かれて、ドラッグストアを希望する薬剤師は多くいますが、勤務先を初任給の条件の良さだけ判断するのは危険です。
薬剤師を目指して就職や転職をする際、初任給を見るのは当然大切なことです。しかし、初任給だけを判断基準にすることには、注意が必要です。
なぜなら、初任給が高い職場では、休日が少なかったり、昇給がしづらかったりする場合があるからです。
特に、初任給が高いドラッグストアでは、調剤経験が積めないため、ドラッグストア以外での受け入れ先が限られてしまうという懸念があります。
多少初任給が低くても、その分福利厚生などが充実している職場なら、家賃手当などを含めた場合に、もらえる金額が増える場合も考えられます。
初任給は勤務先を選ぶ重要な指標になりますが、それ以外の情報もしっかりと吟味して職場を選びましょう。
初任給以外に薬剤師が確認すべきこと
初任給が高いからと言って、安易に転職先を選ぶと、「この会社は自分に合わない」という状況に陥る可能性があります。
年収や初任給も大切ですが、ほかにも確認すべきポイントがあります。就職活動や転職活動をする際に確認するようにしましょう。
それぞれについて詳しくみていきましょう。
ボーナス・賞与
年収として、基本給とボーナスがいくらもらえるのかをまず確認すべきです。
基本給で比較して多い職場でも、年収に大きな影響をもたらすボーナスが低い場合だと年収として低くなってしまう場合があります。
初任給を比較するのも大切ですが、想定年収で比較することで、実際の稼ぎとして現実的な比較をすることができます。
福利厚生(家賃補助・交通費)
給与の中には、ボーナスだけでなく、福利厚生として家賃や交通費の補助が含まれます。
基本給で比較すると低く見える職場でも、家賃補助などの手当てを含めると可処分所得が増える可能性があります。
福利厚生は、会社に「自分」で申請をして受けられるものなので、入社してから損しないためにも、しっかりと確認しておくことが重要です。
契約期間(入社日)
内定を出してもらった場合、たいていの企業は早く入社してもらいたいと考えています。
離職中の人ならいいのですが、現在も勤めている場合は、柔軟に対応することも難しいと考えられます。
内定が出てから、入社日に入社できないという事態に陥らないためにも、しっかりと確認して、現在の職場・転職先の企業両方に迷惑をかけないように心がけましょう。
想定勤務時間
同じ薬剤師でも、プライベートを大切にしたいのか、多少きつくても仕事を頑張りたいのか、自分の希望があると思います。
基本的な勤務時間や残業時間を把握しておくことで、あなたの希望にあった働き方を実現することができます。
法的には、労働条件通知書に記載が必要なのは、残業の有無だけなので、自分から情報収集していく必要があります。
多少手間はかかりますが、勤務時間と残業時間は把握しておくことがおすすめです。
休日
注意すべきなのは、「週休二日制」「完全週休二日制」との違いです。
週休二日制と書いてあると、一見土日は必ず休めると思いがちです。しかし、月に1回週に2日休める週があるという意味で、必ずしも土日休みとは限りません。
感全週休二日制でも、週に2回休みがあるだけで、土日休みとは限りません。完全週休二日制(土日休み)と書いていない場合は、しっかり休日について確認すべきです。
就業場所
転勤の可能性がある場合などは、就業場所についてのリサーチが重要になります。
せっかくマイホームを購入したのに、地方へ転勤になってしまうという事態も考えられます。
転勤の頻度・期間・入社後すぐに転勤の可能性があるのか、しっかりと確認しておきましょう。
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薬剤師向け転職エージェントの評判
薬剤師の職場別の転職ノウハウ
薬剤師の転職活動のノウハウ〜概念編〜
薬剤師の転職活動のノウハウ〜選考編〜
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