
医師の生涯年収は約5億3千万円!勤務医・開業医や診療科別に解説
医師の生涯年収は、最新データで約5億3千万円にのぼります。
この記事では施設規模・男女・診療科ごとの違いから、勤務医と開業医の差、一般的な会社員との比較、年収を上げる方法まで転職のプロが解説します。
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医師の生涯年収は約5億3千万円【最新データで算出】
医師の生涯年収は、最新の統計をもとに計算すると約5億3千万円です。
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査によると、医師の平均年収は1,512万円でした。26歳から60歳までの約35年間、この水準で働き続けたと仮定して算出しています。
生涯年収は「きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」を1年分とし、勤続年数分で積み上げて求めています。
同じ医師でも、勤務先の規模や性別、診療科によって金額は変わります。以下で内訳を見ていきます。
この見出しでわかること
施設規模別の生涯年収
医師の生涯年収は、勤務先の施設規模によって最大1億6千万円ほど差が出ます。
令和7年賃金構造基本統計調査の企業規模別データをもとに、それぞれの生涯年収を算出しました。
| 施設規模 | 平均年収 | 生涯年収 |
|---|---|---|
| 10〜99人 | 1,832万円 | 約6億4千万円 |
| 100〜999人 | 1,707万円 | 約6億円 |
| 1,000人以上 | 1,379万円 | 約4億8千万円 |
意外に感じるかもしれませんが、生涯年収が最も高いのは1,000人以上の大病院ではなく、10〜99人規模の中小病院やクリニックです。規模が小さいほど高く、大きいほど低いという逆転が起きています。
大学病院や大規模病院は研究・教育や若手医師の育成を担う分、給与水準が抑えめになりやすい傾向があります。
一方で中小規模の民間病院やクリニックは、地域医療の主力として即戦力の医師を高い条件で確保する必要があり、待遇が手厚くなりやすいのです。
勤務先を選ぶときは、規模の大きさと年収が比例しない点を覚えておくと判断を誤りません。
【男女別】医師の生涯年収
医師の生涯年収は、男性が約5億6千万円、女性が約4億5千万円で、その差は約1億1千万円にのぼります。
令和7年賃金構造基本統計調査では、男性医師の平均年収が1,594万円、女性医師が1,275万円でした。
| 性別 | 平均年収 | 生涯年収 |
|---|---|---|
| 男性 | 1,594万円 | 約5億6千万円 |
| 女性 | 1,275万円 | 約4億5千万円 |
| 全体 | 1,512万円 | 約5億3千万円 |
この差は、女性医師の能力が低いからではありません。妊娠・出産や育児で一時的に現場を離れたり、当直の多い診療科を避けたりするケースが多く、年収に反映されやすいのです。
逆に言えば、働き方を設計すれば差は縮められます。
復職後にフルタイムで働ける職場を選ぶ、当直のない診療科やクリニックへ移る、非常勤を組み合わせて時間単価を上げるといった選択肢があります。
ライフステージに合わせて勤務先を見直すことが、生涯年収を守る現実的な一手になります。
【年代別】医師の年収推移
医師の年収は年齢とともに大きく伸び、55〜59歳でピークを迎えます。
令和7年賃金構造基本統計調査では、20代前半で592万円だった平均年収が、55〜59歳では1,889万円まで上がります。
| 年代 | 平均年収 |
|---|---|
| 20代前半 | 592万円 |
| 30代後半 | 1,470万円 |
| 40代後半 | 1,703万円 |
| 55〜59歳 | 1,889万円 |
研修医のうちは激務のわりに給与が伸び悩み、割に合っているのか気になる人も少なくありません。ただ生涯で見れば、30代後半から一気に年収が伸びていきます。
今の年収だけで判断せず、5年後10年後にどこまで上げられる環境かを基準に勤務先を選ぶと、生涯年収は大きく変わります。
転職を考えるなら、目先の提示年収よりも昇給カーブや専門性の伸ばしやすさを確認するのがおすすめです。
医師の生涯年収は一般的な会社員の約2倍
医師の生涯年収は、一般的な会社員の約2倍です。
労働政策研究・研修機構のユースフル労働統計2025によると、大学卒の男性が退職金を含めずフルタイムで60歳まで働いた場合の生涯賃金は約2億6千万円でした。
医師の約5億3千万円は、同じく退職金を含めず60歳までで算出した数字です。同じ条件で並べても、医師は会社員の約2倍にあたり、その差は約2億7千万円になります。
しかも、この賃金構造基本統計調査の数字には、常勤先1ヶ所の給与しか含まれていません。実際には非常勤やスポットのアルバイトで年間数百万円を上乗せしている医師も多く、実態の生涯収入はさらに大きくなります。
医師の高収入は一時的なものではなく、長い育成期間と専門性に支えられた構造的なものだと言えます。ではなぜここまで高くなるのか、理由を見ていきます。
開業医と勤務医で生涯年収はどれくらい違う?
同じ医師でも、開業医と勤務医では生涯年収に約1億4千万円の差が生まれます。
厚生労働省の第25回医療経済実態調査(令和7年実施)によると、勤務医の平均年収は約1,485万円、開業医は約2,631万円でした。
| 働き方 | 平均年収 | 生涯年収 |
|---|---|---|
| 開業医 | 2,631万円 | 約7億9千万円 |
| 勤務医 | 1,485万円 | 約6億5千万円 |
勤務医と開業医で年収が上がる仕組みは異なります。それぞれの生涯年収を詳しく見ていきます。
開業医の生涯年収は約7億9千万円
開業医の生涯年収は約7億9千万円です。
多くの医師は勤務医として10数年かけて臨床経験を積み、スキルが固まる40歳前後で開業します。そのため、40歳から70歳までの30年間で算出しました。
勤務医時代の14年分は加えていないので、実際の生涯収入はこれよりさらに高くなります。定年がなく、体力と需要が続く限り働ける点も医師ならではの強みです。
勤務医の生涯年収は約6億5千万円
勤務医の生涯年収は約6億5千万円です。
26歳から70歳までの44年間、平均年収1,485万円で働き続けたと仮定して算出しています。開業医ほどではないものの、会社員と比べれば圧倒的に高い水準です。
経営リスクを負わず、診療に集中しながら安定して高収入を得られるのが勤務医の魅力だと言えます。
開業医は高収入だがリスクも大きい
生涯年収だけを見れば開業医が有利ですが、開業には勤務医にはない負担がのしかかります。開業医は医療スキルに加えて経営者としての力量も問われるからです。
具体的には、以下のような支出や責任が発生します。
開業医に発生する主な負担
- 医院開業のために金融機関から借り入れた資金の返済
- 最新の医療機器の購入費や、施設の老朽化に備えた準備金
- スタッフの採用・労務管理や、集患のための広告費
こうした支出は勤務医では見えにくく、損益差額がそのまま院長の手取りになるわけではありません。地域に競合クリニックが増えれば患者が分散し、収入が安定しない時期もあります。
開業が向いているのは、診療の腕に加えて数字やマネジメントに抵抗がなく、長期の借入を計画的に返せる人です。
逆に、経営の負担を避けて診療に専念したい人は、勤務医のまま条件の良い職場を選ぶほうが満足度は高くなります。年収の大小だけでなく、どんな働き方をしたいかで判断するのが失敗しないコツです。

開業か勤務医のままかで迷う人はとても多いです。
額だけで決めると、開業後に経営の負担で後悔するケースもあります。
まずは今の職場で年収を上げられないか確かめてから、開業を検討しても遅くありませんよ。
診療科ごとの開業事情は、眼科など診療科別の解説記事も参考になります。
医師の年収が高い3つの理由
医師の年収がここまで高いのには、明確な理由があります。単に資格が難しいからではなく、需要と希少性、労働負荷の3つが重なっているためです。
医師の年収が高い理由
高度な専門性と長い育成期間
医師の年収が高い最大の理由は、なるまでに膨大な時間と労力がかかり、代わりのきかない仕事だからです。
医師になるには大学の医学部で6年間学び、医師国家試験に合格しなければなりません。その後も2年以上の臨床研修を経て、さらに専門分野の研修を積みます。
労働市場では、需要が大きく他の人に代替できないスキルほど収入が高くなります。医師は免許がなければ診療自体ができず、供給が国家資格で厳しく絞られています。
誰でも参入できないからこそ希少価値が保たれ、高い報酬に反映されているのです。
労働時間が長く激務
医師の年収が高い2つ目の理由は、労働時間が長く負荷の重い働き方が続いているためです。
厚生労働省の令和4年医師の勤務実態調査査によると、週60時間以上働く病院勤務医は21.2%にのぼります。週80時間以上という過酷な水準の医師も3.7%いました。働き方改革でかつてより減ったとはいえ、依然として長時間労働が残っています。
医師は交代制が取りにくく、1人の患者を1人の医師が担当する主治医制が中心です。容体が不安定な患者がいれば、勤務時間を過ぎても病院に残らざるを得ません。
こうした状況を受けて、2024年4月から医師の時間外労働に上限規制が導入されました。
原則は年960時間まで(A水準)ですが、地域医療を担う病院などでは年1,860時間まで認められる特例(B・C水準)もあります。
月100時間以上になる見込みの医師には、面接指導が義務づけられました。長時間労働は少しずつ是正へ向かっていますが、依然として負荷の高さが高収入の背景にあります。
患者の命に関わる重い責任
医師の年収が高い3つ目の理由は、患者の命を直接預かる、責任の極めて重い仕事だからです。判断ひとつで患者の生死を左右しかねません。
たとえば頭痛を訴える患者を単なる風邪と診断して薬を処方した場合、それが緊急を要する病気だったら取り返しがつきません。
常に最悪の可能性を想定し、細心の注意を払い続ける必要があります。この精神的なプレッシャーの大きさが、報酬に上乗せされているのです。

今の職場が唯一の選択肢ではありません。
転職するか迷う段階でも、キャリアアドバイザーに今後の働き方を整理してもらえますよ。
責任の重さや激務に疲れて、転職を考える医師も少なくありません。医師に多い転職理由は、以下の記事でも詳しく解説しています。
診療科によって生涯年収は大きく変わる
医師の生涯年収は、選ぶ診療科によっても差がつきます。同じ勤務医でも、担当する診療科の負担や緊急対応の多さによって、年収に数百万円の開きが出ることもあります。
高収入の診療科には共通点があります。脳神経外科や産科・婦人科のように、緊急対応が多く当直やオンコールの負担が重い分野ほど、年収が高くなりやすいのです。
労働政策研究・研修機構の勤務医の就労実態と意識に関する調査でも、診療科別の平均年収が最も高いのは脳神経外科で、次いで産科・婦人科が続いています。
命に直結する処置を担い、訴訟リスクも相応に高いことが待遇に反映されています。つまり、年収の高さと働きやすさはトレードオフの関係になりがちです。
診療科を選ぶときは、収入だけでなく、自分がどこまでの負荷を許容できるかを合わせて考える必要があります。
ワークライフバランスを重視するなら、当直の少ない診療科やクリニック勤務を選び、非常勤で収入を補う設計にするのも賢い選び方です。
診療科ごとの稼ぎやすさは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
医師が生涯年収を上げる4つの方法
今の生涯年収に伸びしろを感じているなら、働き方を見直すことで上げられる余地は十分にあります。医師は市場価値が高く、動き方しだいで待遇を大きく改善しやすい職種だからです。
医師が生涯年収を上げる方法
好条件の勤務先へ転職する
生涯年収を上げる最も確実な方法は、今より条件の良い勤務先へ転職することです。医師は慢性的に不足しており、経験のある医師を高い年収で迎えたい病院は数多くあります。
同じ働き方でも、勤務先を変えるだけで年収が数百万円上がるケースは珍しくありません。
まずは医師専門の転職エージェントに登録し、今の年収が相場に対して適正かを確認するところから始めます。次に、希望条件(年収・勤務地・当直の有無)を伝えて求人を紹介してもらい、条件交渉まで任せます。
担当者によって求人の質やサポートに差があるので、2〜3社に登録して相性の良いアドバイザーを見つけるのがおすすめです。
もし今の年収に伸びしろを感じているなら、まずは医師専門のエージェントで相場を確かめるところから始めてみてください。
| エージェント▼ | ポイント▼ | 公式サイト▼ |
|---|---|---|
ドクターキャスト | 業界最大級!医師求人案件2.7万件以上!へき地や離島の求人にも強い | 詳細 |
リクルートドクターズキャリア | 医師からの支持率83%!リクルートグループの実績と高い満足度 | 詳細 |
どの医師転職サイトを選ぶか迷ったら、特徴を比較した以下の記事も参考になります。
非常勤・アルバイトを組み合わせる
常勤の収入に非常勤やスポットのアルバイトを重ねるのも、生涯年収を効率よく増やす方法です。医師のアルバイトは時給1万円が目安で、健診や当直など短時間で高単価の求人が豊富です。
常勤先の給与だけでは統計上の平均年収にとどまりますが、週1回の非常勤を加えるだけで年収は数百万円上乗せできます。
まずは常勤先が副業を認めているかを就業規則で確認し、体力的に無理のない範囲でスポット求人を探すところから始めると失敗しません。
高収入の診療科・地域を選ぶ
これからキャリアの方向性を決める段階なら、高収入を狙える診療科や地域を選ぶのも有効です。前述のとおり、緊急対応の多い診療科は年収が高くなりやすい傾向があります。
地域も重要な要素です。医師が不足している地方や過疎地域では、都市部より高い年収を提示する求人が多く見られます。
都市部で相場どおりに働くか、地方で高待遇を得るかは、生活スタイルとのバランスで選ぶと納得のいく判断ができます。
将来的に開業を目指す
長期的に生涯年収を最大化したいなら、開業も選択肢になります。開業医の生涯年収は勤務医を大きく上回りますが、経営リスクと表裏一体です。
いきなり開業するのではなく、まずは勤務医として臨床力を高めつつ、経営や集患の知識を少しずつ蓄えるのが現実的です。
開業支援に強い医師転職エージェントや承継開業の情報を集めながら、自己資金と借入の計画を立てておくと、いざというときに動きやすくなります。
医師の生涯年収に関するよくある質問
最後に、医師の生涯年収についてよく寄せられる質問をまとめました。
研修医の年収はどのくらいですか?
研修医の年収は300万〜400万円台が中心で、勤務先や地域によって差があります。
20代前半の医師全体の平均は約592万円で、経験を積むにつれて大きく伸びていきます。今が低く感じても、生涯で見れば十分に取り返せる範囲です。
一番稼げる診療科は何ですか?
労働政策研究・研修機構の勤務医の就労実態と意識に関する調査によると、脳神経外科や産科・婦人科、外科など、緊急対応や当直の負担が重い診療科が高い傾向にあります。
ただし高収入の診療科は当直や緊急対応が多く、負担も大きい傾向があります。収入と働きやすさのバランスで選ぶのがおすすめです。
年代・施設・診療科ごとの年収は、以下の記事で詳しく確認できます。
勤務医のままでも年収は上げられますか?
十分に可能です。条件の良い病院への転職や、非常勤アルバイトの追加で年収は数百万円単位で変わります。
開業のリスクを取らずに収入を増やしたい人は、まず転職エージェントで今の年収が適正かを確認してみてください。
医師の生涯年収は勤務先や診療科によって異なる
医師の生涯年収は、最新データで約5億3千万円と、一般的な会社員の約2倍にのぼります。勤務先の規模や性別、診療科、勤務医か開業医かによって金額は変わりますが、いずれも高い水準です。
高収入の背景には、長い育成期間と希少性、そして激務と重い責任があります。ただ、今の年収に伸びしろを感じているなら、転職や非常勤の組み合わせで上げられる余地は大きく残されています。
ここまで見てきたとおり、動けば生涯年収は変えられます。最後に、医師の転職に強いエージェントをまとめました。まずは自分の年収が相場に対して適正かを確かめるところから、一歩を踏み出してみてください。
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