銀行員からの転職を有利にする必勝法!おすすめの業種を大公開

銀行員からの転職を有利にする必勝法!おすすめの業種を大公開

    銀行員に多い転職理由や、金融業界で得た経験が高く評価される業界について詳しく解説します。

    また、年齢別の内定獲得の難易度や主な転職先、さらに職種別に成功させるポイントや活かせる注意点なども説明します。

この記事を書いた人
末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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銀行から転職は十分に可能

結論から申し上げますと銀行員から転職は十分に可能です。

特に金融業界に転職する場合、これまで培ってきた金融知識や経験を活かせるため、採用される可能性が高くなります。

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さらに無形商材の法人営業を経験している銀行員は、転職を有利に進められます。営業職は有形商材よりも無形商材、個人営業よりも法人営業のほうが難易度が高く、転職市場では評価されています。

よくある転職先としては、同じ金融業界の生命保険会社や損害保険会社、ファイナンスリースが挙げられます。これらの採用企業が中途採用に求めるのは「即戦力になるかどうか」であるため金融への知識が有利に働くのです。

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次項では、地方銀行やメガバンクなど「銀行の種類別」に主な転職先をご紹介しますね!

銀行員の評価ポイント・主な転職先

繰り返しになりますが、銀行員は転職可能性が高く、特に金融業界への転職はしやすいといえます。

なぜなら銀行員として今までに培ってきた経験・スキルを活かすことができるからです。

しかし、自身がどういった銀行に所属していたかによっても評価ポイントがわずかに変わってきます。

そこで具体的な業務内容をはじめ、どのような部分が評価される傾向にあるのか、より詳しくご紹介していきたいと思います。

メガバンクからの転職

1つ目はメガバンクからの転職です。これは横浜銀行や千葉銀行といった大手地方銀行も該当します。

具体的な業務内容や評価される部分、実際にどのようなところに転職しているケースが多いのか、わかりやすく以下の表にまとめてみました。

業務内容 ●大手〜中小企業の融資営業メイン+事業承継
●金融商品のクロスセル+不動産仲介の紹介など
評価される点 融資営業はとくに評価される。
その理由としては、融資営業をする上で企業の財務諸表や損益計算書を読み解いた上で、経営者に経営に関わるお金周りの提案営業をしないといけないことが挙げられる。
難易度が比較的高い業務となる。
主な転職先 デロイトトーマツPwCKPMGなど
●外資銀行財務コンサル・中小ITコンサル・人材紹介のRA・SaaS法人営業
●M&Aコンサル・生保業界・web広告代理店など

地方銀行・信用金庫・ゆうちょ銀行からの転職

2つ目は地方銀行や信用金庫、またゆうちょ銀行からの転職です。地方銀行は大手以外の非有名銀行などが該当します。

具体的な業務内容や評価される部分、実際にどのようなところに転職しているケースが多いのか、わかりやすく以下の表にまとめてみました。

業務内容 ●地方の中小企業に向けての融資営業
●金融商品のクロスセル
評価される点 融資営業はとくに評価される。
その理由としては、融資営業をする上で企業の財務諸表や損益計算書を読み解いた上で、経営者に経営に関わるお金周りの提案営業をしないといけないことが挙げられる。
難易度が比較的高い業務となる。

しかし、メガバンクと比較すると規模感は小さいため難易度はそこまで高くない。
主な転職先 ●財務コンサル・ITコンサル中小企業・人材紹介のRA
●M&Aコンサル・生保業界

信託銀行からの転職

3つ目は信託銀行からの転職です。具体的な業務内容や評価される部分、実際にどのようなところに転職しているケースが多いのか、わかりやすく以下の表にまとめてみました。

業務内容 ●toC向けに資産運用メインの営業
評価される点 顧客のターゲットが富裕層顧客のため、高単価な商材として資産運商品を提案営業する経験が評価される。
主な転職先 ●財務コンサル・ITコンサル中小企業・人材紹介のRA
●M&Aコンサル・生保業界

銀行員から転職をお考えの方へ

繰り返しになってしまいますが銀行員は、転職可能性は十分に高いです。しかし、30分や1時間の面接の中でうまくアピールすることができなければ、転職に苦戦するケースもあります。

だからこそ、転職を考えている方はしっかりと自己分析をした上で「企業が納得できるアピール」をする必要があるのです。

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しかし、「そんなアピールの仕方わからないし不安だ。」という方も多くいると思います。
そういった方は、無料で相談できる転職エージェントの利用がオススメです。

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銀行員はどんな業界に求められている?

銀行出身者は大企業・中小企業はもちろんのこと、少数精鋭のベンチャー企業でも求められている人材です。とくにどのような業界から銀行出身者が求められているのか気になる部分ですよね。

そこで、下記に銀行出身者を求めている業界をランキングにしてご紹介していきたいと思います。ぜひ転職を検討する際のヒントにしてみてください。

1位:金融業界

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銀行出身者を求めているのは、やはり同業界である金融業界ですね。その理由としては、金融で扱う相場や金融商品の知識を活かせるからなんです。

取り扱う金融商品は違えど同じ金融業界であれば、顧客対応や手続きといった業務内容は共通している部分が多いため、比較的に転職しやすいといえます。

それだけではなく、すでにスキルも身についているので転職することにより、早期のキャリアアップや年収アップを狙える可能性もありますね。

銀行出身者を求めている金融業界ですが、具体的には他外資銀行、生保業界、M&A業界、財務業界などが挙げられます。

2位:人材業界

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人材業界も銀行出身者を求めている傾向が見られます。とくに融資営業経験者の場合は、企業のお金周りの知見が豊富なので、経営者と経営課題に対してのコミュニケーションがとれると評価されます。

人材紹介もまた経営課題の1つなので、再現性が高さを評価してもらえやすいですね。その中でも、金融業界に特化した人材紹介会社では業界知識や経験を活かして活躍できます。

また、人材紹介業においても企業の問題解決に貢献したい、経営者に対して営業経験を元に力添えしたいという部分も評価される傾向にありますね。実際に人材業界の人材RAとして活躍している銀行出身者が多数見られます。

3位:SaaS・システム・IT業界系

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SaaS、システム、IT業界系でも銀行出身者が求められています。中でも業務効率に特化したプロダクト持っている会社で、クライアントが金融クライアントの場合は、金融出身者が求められている傾向が見られます。

なぜなら、金融業界の特有の「旧態依然としている」「DX化が進んでいない」「決定まで時間かかる」などの業界特有の課題を認識していると見なされるからなんです。

また、堅いコミュニケーションが求められるということも理由としては強いですね。

4位:ベンチャー企業・スタートアップ

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上場を目指しているベンチャー企業・スタートアップが銀行出身者を採用する理由としては、会社と事業を円滑に運営できる社内体制に整えてもらいたいと考えているからです。

銀行出身者でベンチャー企業・スタートアップのCFO(最高財務責任者)や経理、経営管理などの関節部門の責任者になる人が増えています。実際に以下の人たちが銀行や証券からスタートアップへ転職しています。

金融機関からスタートアップに転職した例

  • 春田真氏
    三井住友銀行→DeNA取締役会長
  • 川本寛之氏
    日本政策投資銀行→gumi取締役経営企画部長
  • 嶺井政人氏
    モルガン・スタンレー証券→マイネット取締役兼CFO

ベンチャー企業・スタートアップは発展途上の会社ばかりなので、体制がすでに整っている大企業よりも実力を発揮できる会社です。自分の能力や経験を思う存分に発揮したいと考えている人は、ベンチャー・スタートアップも選択肢に入れると良いでしょう。

銀行から異業界転職を考えている方へ

銀行員からの転職を考えている人の中には異業界に行けるのか不安な方も多いと思います。そういった方は転職エージェントの利用がおすすめです。

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転職エージェントは、転職のプロが入社までのすべての選考準備を二人三脚でサポートしてくれます。また、自分が転職を望む業界に1番刺さるアピールの方法を教えてくれるため有利に選考を進めることができますよ

以下でおすすめするマイナビエージェントリクルートエージェントdodaは業界大手であり実際に銀行員からの転職を多く成功させています。無料で相談できるので転職に不安がある方はまずはこの3社に相談してみるのがおすすめです。

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【年齢別】銀行員の転職難易度・主な転職先

結論から申しますと、20代はどの業界・職種でも転職しやすく、30〜40代は同じ金融業界であれば転職しやすいです。ただ未経験の場合は厳しく、40代未経験はNGとなります。


ここではさらに詳しく銀行員の転職難易度や主な転職先について、年代別に分けてご説明します。

年齢によって転職しやすい業界は変わってくるので、転職を考えている銀行員はしっかりと確認することをおすすめします。

また、転職をする際に役立つサービスも年代別にご紹介します。

20代銀行員の転職難易度・主な転職先

20代の銀行員は、基本的にどの業界・職種にも転職しやすいです。とくに23歳〜26歳までの人は、新卒に近い第二新卒枠で採用されやすい傾向にあります。

20代はポテンシャルに期待できるため、キャリアチェンジで他の業界・職種にもチャレンジしやすいので、不動産業界やコンサルティング業界が転職先として人気があります。

また、将来のキャリアプランを考えるのであれば、人材業界やIT・Web業界の無形商材の法人営業職へ転職すると良いでしょう。将来的に人事や経営に近いポジションを目指せる可能性があります。

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若手銀行員が転職する際に利用をおすすめしたいのは、20代の転職を得意としているマイナビエージェントです。


またエージェントは複数社登録して比較する方が効率よく活動を進めることができるので業界大手であるリクルートエージェントdodaにも登録がおすすめです。

なぜ複数登録するのがおすすめなのかはこちらをご覧ください。

不動産業界、コンサルティング業界についてはこちらをご覧ください。

30代銀行員の転職難易度・主な転職先

30代の銀行員は、同じ金融業界かつ同職種であれば転職しやすいですが、未経験の場合は厳しくなります。銀行員に限られたことではありませんが、30代の転職では即戦力として活躍できるスキルや経験、実績が求められる傾向にあります。

そのため、同じ金融業界ならこれまで培ってきたスキル・経験を活かせるので、転職を成功させやすいです。また、同業種であるため、転職によって年収が大幅に下がることはありません。

実際に30代の転職では銀行を中心に金融業界へ転職する人が多いです。具体的には外資金融機関、証券、生保損保、信用金庫、ノンバンク、リース系企業、クレジットカードなどが挙げられます。

一方で、金融業界以外への転職は20代よりも難易度が上がります。未経験から挑戦することになるため、企業の求める即戦力として活躍できる人材に該当しないからです。しかし、転職エージェントなどを利用し、しっかりと応募書類の作成や面接対策などをおこなえば、異業界へ転職できる可能性はあります。

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30代の転職でおすすめなのは求人が豊富にあるリクルートエージェントマイナビエージェントの2社です。


とくにマイナビエージェントは金融業界に精通したキャリアアドバイザーがサポートしてくれるため、金融業界への転職も、金融業界から他業界への転職にもおすすめです。

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また、管理職や年収600万以上のハイクラス層への転職を考えている人は、ビズリーチの利用をおすすめします。


ビズリーチは、ハイレイヤー層の求人に絞って事業を展開しているため、キャリアアップに繋がる企業や求人が見つかりやすいです。

40代・50代銀行員の転職難易度・主な転職先

40代・50代銀行員の転職難易度ですが、同じ金融業界であれば転職しやすいものの、未経験からの転職の場合はNGとなります。というのも、銀行員の市場価値は30代前後が1番高いと言われているからです。

40代・50代になると出世の限界が見えてきて、もう一花咲かせたいと考えて転職を考える人が多いです。ただ、40代・50代になると高度な専門性だけでなく、マネジメント経験も求められるため、30代よりも転職が難しくなる傾向があります。

おすすめの転職先候補としては、外資銀行、証券、生保損保、クレジットカード、リース系企業などの金融業界系がメインになってきます。または、業務を通じて培った人脈を使い、中小企業の管理部門や財務部門のポジションを紹介してもらうのが良いでしょう。

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管理職やCFO職や部門責任者などの求人を多く取り扱うヘッドハンターや、あなたの経歴を活かせる企業からオファーがもらえるビズリーチを活用するのもおすすめです。

【職種別】銀行員が転職を成功させるポイント

銀行員が転職を成功させるためには、面接で汎用スキルをアピールすることが大切になります。

銀行で身につくスキルは、ぶっちゃけていうと他業界では必要とされないものばかりです。そのため、金融業界以外の異業種は、そのスキルでは会社に貢献できないと判断し、内定に繋がらないんです。

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しかしながら、汎用スキルは業界に関係なく通用するので、面接では専門スキルではなく汎用スキルを積極的にアピールしたほうが良いというわけです。
銀行での職種によっては身につく汎用スキルが異なるので、以下では2つの職種をピックアップして、それぞれのアピールポイントを詳しく説明していきますね。

融資営業(法人営業)の人

銀行員は面接官から「銀行ではお願いやごますり営業をやっている」と見られてしまうため、実際に営業でどのような成果を出したのか、さらにその成果をどのように出したのかをアピールするようにしましょう。

融資営業の法人営業が評価されるのは「経営者を対象に、キャッシュフローを切り口に経営課題にアプローチした」といった点です。

そのためには、具体的に「PL/BSからどのように数字を読み解き、自分なりに分析と戦略を練って、どのように解決提案していったか」を定量・定性で語れるようにしておくこと良いです。

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他にも経営者との信頼関係構築を目的に「ビジネスマッチング」や「不動産などのグループ会社への連携」などのソリューション提案もやっていれば、スキルのアピールになります。

外回りや窓口などの個人営業の人

外回りや窓口などの個人営業ポジションの人も、融資営業と同様に「押し売りやお願い営業」だと面接官に見られてしまいがちです。

ですので、面接では「自分は顧客のニーズや課題をヒアリングし、それに対しての解決提案をおこなった」というアピールをすると良いです。

具体的には、金融商品の提案をする上でのプロセスや仮説立てをアピールしてみてください。

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例えば、預金残高や家族構成、過去の購入履歴、取引先、勤務先、マーケットなどの情報から、実際にどのような金融商品を提案したのかを明確に話せるようにすると良いですね。


このプロセスや仮説立てを具体的に語れると「顧客のニーズや課題に対して、しっかりと仮説立てて提案した」と面接官に評価してもらえます。

【ケース別】銀行員から転職した人のあるある事例

銀行からの転職でよくある3つのパターンを以下で紹介します。


この3つは銀行から転職する人によくある事例で、転職して良かったと思う人がいれば、転職しなければ良かったと後悔する人もいます。

転職は回数を重ねれば重ねるほど、経歴に傷がついてしまうものです。

その次の転職で難易度が上がってしまうため、どこへ転職するかはしっかりと考えたほうが良いでしょう。

今回紹介するあるある事例を参考に、転職先の吟味をしてみてください。

銀行から大手企業に転職したケース

銀行から大手企業に転職する銀行員も多いです。なぜなら、大手銀行の出身者の場合は基本的に大手企業への転職はしやすく、ネームバリュー評価がされやすいからなんです。

その中でも銀行員からコンサルへ転職する人が多く見られますね。その理由として挙げられるのは、給料面に大きな差が生じにくく、銀行でのスキルや経験が評価されやすいことです。

他にも、企業の財務面を見ることに長けているので経営コンサルを目指す銀行員が多いことも理由の1つとして挙げられます。

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具体的な転職先としては、リクルート社PwCコンサルデロイトトーマツKPMGコンサルなどのコンサルビッグ4、ゴールドマン・サックスなどの外資銀行、日立など大手メーカーですね。

銀行から公務員に転職したケース

銀行よりもさらに安定性のある職業として、公務員へ転職する銀行員は多いです。

実際、ノルマの心配がなく、安定して働ける環境だという声が多くありました。

また、地域のイベントが頻繁にあり、それに伴う外回りが思ったよりも楽しいと感じている人もいます。

一方で、公務員は業績を伸ばす必要がないので、売上や目標を追うという概念がなくなり、張り合い・やりがいがないと感じる人もいます。

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目標がなくなったことで、仕事に対するモチベーションが下がり、もっとイキイキと働ける会社へ転職を考える人も多いです。

銀行からベンチャーに転職したケース

古い体制が残る銀行から、自由な社風でありながら実力主義で裁量もあるベンチャー企業へ転職する人も中にはいます。

ベンチャー企業はスピード感があり、次々と新しい業務に携われる可能性はあります。また、20代などの若い年齢の人が活躍できるチャンスも多いです。

一方で、ベンチャー企業は礼節が足りないと感じる銀行員が多いのも事実です。銀行は年功序列で、昔ながらの風土が色濃く残っており、上下関係がはっきりしているのが特徴です。

ベンチャー企業は自由な社風から、オンオフの切り替えが曖昧な部分にストレスを感じて嫌気がさす人もいます。

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また、ホウレンソウが少なかったり、今までと仕事の進め方が違ったりすることに戸惑う人も少なくありません。ベンチャーは発展途上の会社が多く、さまざまなことが整備されていないので、自分で考えながら仕事を進めていく必要があります。


さらに想像以上に残業が多くて、銀行員の頃よりもワイフワークバランスを保てず、また転職を決意する人もいます。

銀行員に多い転職理由TOP5

銀行の離職率は3年で3割、5年で半分と言われています。就職先として人気がある銀行ですが、離職率も高くなっています。

厚生労働省発表の「雇用動向調査結果の概要(令和3年)」によると、金融業・保険業の離職率は9.3%になっています。

金融業・保険業の離職率のグラフ画像

ちなみに、2017年〜2021年の金融業・保険業の離職率は2017年が11.8%、2018年が11.1%、2019年が10.7%、2020年が7.7%、2021年が9.3%と推移しています。

dodaの「2022年10月発行 業界別マーケットレポート金融業界」によると、登録者の大半は若年層が占める状態が続いており、20代の転職希望者は異業界への志向性が強い傾向にあります。

また、30代以降の転職希望者は自分のスキルを活かして同業界を志す傾向が強く、信金や信組、地銀出身者は事業会社の財務ポジションを目指すケースが多いとのことでした。

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安定している職業として人気のある銀行ですが、年々銀行から転職する人が増えてきています。


転職者が増えている理由を実際に支援してきた筆者が、その中でも多いと思った5つをご紹介します。

人間関係が良くない

人間関係が理由で転職を考えるのは、銀行に限られたことではありません。

業種がなんであれ、仕事というものは上司・同僚・部下と関わり合いながらを進めていかなければなりません。

しかも銀行や金融業界はとくに年功序列制が色濃く残っているのもあり、昇給や昇進は上司に気に入られることが重要になってきます。

上司の顔色をうかがったり、事前に根回しをしたりすることにストレスを抱え疲れてしまう銀行員は多いです。

仕事が楽しくない

銀行はお金を取り扱う関係から確認作業が多いです。毎日同じ作業を淡々と続けているので、早く帰りたいと思っている銀行員は少なくありません。

仕事に楽しみを見出せないことで、モチベーションが下がります。また、他業界でイキイキと活躍する友人などを目にして、自分も転職すれば楽しく働けるのではないか、と考えるようになります。

今の状況から抜け出すために、転職を決意する銀行員はよくいます。

転勤が多くて自分の時間を大切にできない

地方などへの転勤が多く、プライベートや家族との時間を大切にできない、生活水準が下がってしまうと悩んで転職を決意する人も多いです。

家族と一緒に赴任先へ向かえれば良いのですが、配偶者の仕事や子供がいれば簡単にはいきません。家族の事情を考えて単身赴任を選択すれば、その分一緒にいる時間は少なくなるのでコミュニケーション不足に陥ってしまいます。

ちなみに、転勤が理由で転職を考える銀行員は、主要都市だけでなく地方にも銀行があるメガバンクに勤めている人です。地銀の場合は転勤がないケースがほとんどなので、当てはまることは少ないですね。

金融業界の衰退に対する不安

金融業界の衰退に対する不安で転職を考える人もいます。

これは利益の減少による早期退職を募集する銀行が出始めたり、店舗の縮小計画の発表があったり、AIに業務を代替されるのでは?といった業界の先行きに不安を感じているケースです。

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実際に地方銀行を中心に昼間に窓口を閉める「昼休業」が広がってきています。その背景にはネットバンキングの普及で店舗利用者が減少する中、新型コロナウイルス感染対策で銀行側の人繰りが厳しくなった側面が挙げられます。

東京新聞の「広がる銀行の「昼休業」 ネット普及で窓口利用減 コロナで人繰りも厳しく」という記事を見てみると、常陽銀行が185店あるうちの93点で昼休業を実施しており、午前11時〜12時まで窓口を閉めているようです。

さらに、新型コロナウイルスの影響により顧客のデジタルシフトの加速により、 店舗削減や人員減の計画が後押しされています。実際にPRESIDENT Onlineの記事によれば、三菱UFJフィナンシャルグループが約200店舗の削減を改め、人員数を6,000名ほど減少させる計画を立てていることがわかります。

一方、三井住友フィナンシャルグループも非金利収益を強化させ、これまでの古サービス店舗の割合を減少させる動きを見せていますね。さらに、みずほフィナンシャルグループでも2017年に約500あった店舗を、2024年までに130店舗に削減、2026年までには19,000名の人員削減を見込んでいるようです。

また、他の業界のように成長性や将来性を感じられないのも大きな要因だと言えます。今後、伸びる分野にチャレンジしたいと考えて、転職を決意する人は多いですね。

スピード感・風通しの良い企業で働きたい

銀行はリスクを回避するために、保守的な傾向にあります。決定までに時間がかかるのに嫌気をさす人も少なくありません。

また、古い体質が残っていることから、上に対して新しい提案ができないことに不満を感じる人も多いです。

このような銀行員はITやWeb業界のようにスピード感があり、風通しの良い企業へ転職したいと考えています。

銀行員が転職で活かせる資格4選

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お金を扱う金融業界は独自のルールや規制があるので、入社後に多くの資格を取得する必要があります。

そのため、銀行で働いていた銀行員は、転職後に活かせる資格を気づかないうちに取得している可能性があります。ただ、資格は何でもアピールすれば良いといわけではありません。

転職を希望する業界・職種によって、評価されたり活かせる資格は変わってきます。

以下では銀行入社後に取得した資格で、どのような業界・職種で活かせるようのかを紹介します。

ファイナンシャルプランナー(FP)

ファイナンシャルプランナーといっても国家資格のFP技能士と、民間資格のAFP・CFPがあり、銀行員の多くが取得しているのは国家資格の「FP技能士」です。

FP技能検定は1級、2級、3級の3つの等級に分かれており、銀行員が多く取得しているのは2級FP技能士です。ちなみに転職で評価されるのは2級か1級です。

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資格を取得するには金融や証券、保険・年金はもちろんのこと、ローンや不動産、税金などの人の一生に関わる幅広い知識が求められます。


そのため、顧客からの資産運用に関する相談を受ける機会が多い、金融業界・保険業界への転職には評価される資格だといえます。

資格が活かせる転職先

  • 銀行・信託銀行
  • 証券会社
  • 生命保険会社・損害保険会社
  • 住宅メーカーや物件仲介業

証券外務員

証券外務員は銀行で働く上で必要になる資格で、入行後半年以内の取得を促される資格です。

銀行員として業務をおこなっていた人は、証券外務員の資格は必然的に持っていることになります。

証券外務員資格は日本証券業協会(JSDA)が試験を実施しており、種類は二種外務員資格と一種外務員資格の2つがあります。

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二種外務員資格は株や債券、投資信託などの金融商品は扱えますが、信用取引などのリスクの高い商品については扱えません。一種外務員資格は二種で扱える金融商品にプラスして、信用取引やデリバティブ取引といったすべてが取り扱えます。

資格が活かせる転職先

  • 銀行・信託銀行
  • 証券会社

宅地建物取引士

宅地建物取引士は銀行員に必須の資格ではありませんが、融資をおこなう際の不動産担保登記や不動産評価などで必要になるため、融資営業を担当している人は取得している可能性の高い資格です。

取得するためには、不動産に関する専門的な知識が求められるので、不動産業界への転職を考えている銀行員は資格を活かしやすいでしょう。

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というのも、不動産会社には宅地建物取引士の資格を持った人がいないと営業することができないからなんですね。

資格が活かせる転職先

  • 不動産会社
  • 住宅メーカー
  • 建築会社

日商簿記

取引先の財務諸表を読むために、日商簿記の取得を必須としている銀行は多いです。

顧客の財務状況把握や分析に必要な資格で、等級は1〜4級と分かれていますが、銀行員が多く取得しているのは簿記2級です。

簿記を取得しているということは、企業の経理事務に必要な会計知識、財務諸表の読み方、基礎的な経営管理の力があるとアピールすることができます。

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また、経営状況を把握できるため、企業の管理部門への転職がしやすいです。ただ、資格は2級以上が評価されるので注意が必要です。

資格が活かせる転職先

  • 経理事務
  • 会計事務所
  • 税理士事務所

銀行員が転職する際の注意点

銀行員が転職する際には、以下のことに注意する必要があります。

  • 転職活動をしているのを銀行にバレないようにする
  • 他業界への転職は年収が下がる
  • 家族・配偶者へ早めに相談する

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1つ目ですが、転職活動をしているのを銀行にバレないようにすることです。銀行員は転職活動をしているのが銀行に知られてしまうと、評価や今後の出世に影響してしまいます。

行動を始めたばかりの頃は、まだ銀行に残る可能性もあるため、周りに転職活動をしているのがバレないようにしましょう。銀行にバレてしまい、中には地方へ異動を命じられた人もいます。

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2つ目は他業界への転職は年収が下がることです。銀行員は他の業界よりも年収が高い傾向にあるため、異業界へ転職すると年収が下がるケースがほとんどです。

一定の年収が下がることは覚悟して、転職活動をしたほうが納得のいく会社を見つけやすいです。

もし、年収が下がることに抵抗があるのであれば、同じ金融業界への転職を考えるか、もしくは現職に残るのも選択の1つです。

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最後3つ目ですが、家族・配偶者へ早めに相談することです。待遇が良く安定した銀行からの転職となると、家族や配偶者が反対することが多いです。

転職をスムーズに進めるためには、転職活動を始める段階から家族や配偶者と意志を共有するようにしておきましょう。家族の理解が得られれば、精神的にも楽になり転職活動が円滑に進みます。

銀行員におすすめの転職エージェント6選

銀行からの転職は転職エージェントの利用をおすすめします。

転職エージェントは、面接でどのように自分の有用性をアピールすればいいのか、そのノウハウを持っています。

ノウハウに基づき、どういう点をアピールすれば、面接官に刺さるのかを教えてもらえるため、自分で直接応募するよりも転職を成功させやすいのです。

というのも銀行員は人事や面接官にラクな仕事だと思われており、面接の場でしっかりと自分の実績をアピールする必要があります。また銀行員は固すぎるイメージを持っている人も少なくないため自身の個性をみせる必要もあるのです。

しかし、こうした面接対策は自分1人では限界があるので、転職エージェントを利用するのがおすすめです。

ただ、キャリアアドバイザーにも相性があるため、自分の相性と合う人と出会うためにも転職エージェントは複数登録するようにしましょう。

できれば大手転職エージェント2〜3社、特化型転職エージェント1社へ登録するのが効率の良い転職活動の進め方です。

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